1日目(7月23日)
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今年の梅雨明けは例年より遅れており、関東ではまだ梅雨明けになっていなかった。 この日もどんよりとした曇りで、天気予報では今日と明日は雨になっていた。しかし、 簡単に計画を変更するわけにもいかず、登山を決行した。新幹線三島駅から富士宮口5合目行きのバス に乗ったが、生憎の天候でバスには我々一行5人以外の乗客はいなかった。 山間部に入るとガスは益々濃くなり、道路中央の白線が見える程度であったが、バスの運転手は 慣れているようで、普通のスピードで運行していた。2時間かかって、5合目に到着した。
5合目には、広い駐車場とレストラン、土産物売り場があった。レストランで昼食をしたが、 何人かのグループが登山姿でいたので、様子を聞くと早朝登山したが雨と風が強くて、九合目までは 何とか行ったがそれ以上は無理であきらめたとのことであった。今回は登山を中止してどこかの 温泉でゆったりした方が良いのではないかという考えが皆の頭をかすめた。しかし、 雨はここでは小降りであるので、7合目の山小屋までは行こうということになり、 我々は雨の中出発した。程なく、2億円かけたという環境を配慮した有料トイレがあった。 富士山を世界遺産に登録しようという運動があるが、トイレの問題がネックになっているようである。 欧米のアルプスなどは有料トイレであるそうだが、日本ではまだ、それに関する意識は低いようで、 有料トイレはここだけであった。
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出発して20分ほどで新6合目に着いた。雲海荘と宝永山荘という2つの山小屋があったが、 そこを通って、さらに45分ほどで新7合目に着いた。ここにも御来光山荘といういかにも 富士山らしい名前の山小屋があった。しかし我々の目指す山小屋は7合目の山荘でありさらに 登っていった。風雨はいよいよ強まって、温度も低下してきた。新7合目から7合目まではずいぶんと 距離があった。時々下山してくる人たちに上の様子を聞くと、結構頂上まで登ってきた人たちもいた。 ただ天候は悪く何も見えなかったようである。新7合目から50分ほどかかってようやく 元祖7合目山口山荘に到着した。服や、靴はびしょぬれになり寒かったので、石油ストーブをレンタル して暖をとった。夏にストーブが必要になるとは思わなかった。6時に夕食のカレーを食べて団欒の後 8時には就寝した。小屋は空いていて、200人定員であるが、せいぜい50人程度の宿泊であった。 本来なら二人で布団一枚であるが、一人で一枚の布団を占領できた。外は暴風雨で夜中に何回か 起こされた。トイレに行ったとき、小屋の軒先やトイレの入り口で風雨をしのぐ登山客がいたのには 驚かされた。御来光を見ようと深夜に登山をしているようである。暴風雨も朝方には静かになった。 2日目(7月24日)
御来光を迎えることはできそうにないので、翌朝は6時に起きた。雨は止んでいたがガスが かかり視界は悪い。頂上に行っても何も見えないし、登ってもしょうがないという声も出たが 山小屋の主人が、今日は雨は大丈夫だと言ってくれたので、とりあえずは行けるところまで 行こうということになり6時30分に出発した。天候は悪いのに多くの登山者がいた。 ちょうど大阪の中学2年生の団体がいた。聞くと200人程度の団体で昨日は新7合目で宿泊していた そうである。体力のない女子生徒が何人かグループから遅れ、引率の先生達から励まされながら 登っていった。その頑張りに我々もエネルギーをもらい、その後について登った。荷物を小屋に預け、 軽装で登ったので楽であった。
中学生達と前になり後になりながら40分程で8合目に着いた。海抜3250mで今までの 登山経験の中で最高の高さである。空気が薄くなり持参の酸素を吸って体力を回復させた。
8合目から40分ほどで9合目に着いた。海抜3460m。雨はあがり、ガスの合間から 頂上の鳥居が見える。山荘の名前は万年雪山荘と言うが、その名の通り山荘の横に雪渓が残っていた。
9合目から40分程で9合5勺海抜3590mに着いた。ここの山荘の名前は胸突山荘である。 ここまで来れば山頂まで後わずかである。山頂の浅間大社も見えた。
9合5勺から約40分で頂上浅間大社奥宮に到着した。相変わらずガスで視界は悪かった。 頂上郵便局があったので、登頂記念に登頂証を発行してもらった。販売価格分の切手が貼ってあった。 元祖7合目山口山荘からおよそ2時間30分要した。
浅間大社から10分ほどで富士山測候所がある。現在は使用されていないが、建物は残っている。 その場所が最高地点剣ヶ峰で海抜3776mである。
頂上で1時間ほど滞在し下山した。頂上にいる間ずっとガス視界は悪かった。 9合5勺に下りてくると、時折ガスが晴れて下界がよく見えた。もう1時間ほど待っていたら絶景を 見られたかもしれない。そのまま元祖7合目山口山荘まで下りて、昼食をとった。 下山は休憩をしながら下りたので頂上から元祖7合目まで2時間近くかかった。
山口山荘から1時間30分で5合目に到着。ちょうど2時のバスで裾野駅、JRで御殿場まで行き、 そこからタクシーで河口湖までいった。タクシーは5人乗りで、バス料金と大差がなかった。 登山の後は温泉で汚れを落として帰ることにしているが、今回の宿は三島と富士山を 挟んで反対方向にあり、三島より2時間の距離にあった。 3日目(7月25日)
富士レークホテルを9時に出発しバス、JRを乗り継いで三島に行き、そこから新幹線で帰阪した。 今回の登山は日本で一番高い山であり、木陰が全然なく、砂の多い登山道であることから、 日焼け止めクリーム、防塵マスク、酸素ガス、軍手など用意したが、雨が多かったので、酸素ガスを使った程度であった。特に今回は雨具が役立った。好天が続くと他の物も必要になるだろう。また高山病を心配したが、5合目から直接その日のうちに登らず、7合目で一泊して体が慣れたのか、誰もそんな症状が出なかった。頂上での天候が悪く、御来光も拝めず、景色も余り見えなかったが、体力の消耗は少なく、山小屋も空いていたのでまあまあ良いかなと思った。もう一度天候の良いときに登りたいものである。
【宿泊先】 7/23 元祖7合目山口山荘 連絡先0544-23-3938 7/24 富士レークホテル 連絡先0555-72-2209