1日目(8月3日)
泉佐野駅を6:00に出発して阪神高速、名神高速、中央自動車道を経て伊那ICで高速を下りて、 高遠城址を通り伊那市長谷の南アルプス林道バス営業所に到着した。ここから先は一般車両は立ち入り禁止となり、 バスに乗り換える。第1から第3駐車場まで用意されており、500台程度は可能である。
平日であるためどの駐車場もよく空いていた。バス停横の第1駐車場を使用した。
南アルプス林道バス営業所は仙流荘隣にあり、、物品販売を行っている。バスの始終点は高遠からの接続の関係で 仙流荘から5分ほど下流の戸台口となっている。戸台口から北沢峠までの営業は伊那市が行っており、 北沢峠から広河原までの営業は南アルプス市が行っている。
仙流荘から北沢峠までの運賃は片道1300円(手回り品持ち込み料金200円を含む)であった。仙流荘前のバス営業所には車庫があり、常時2、3台のバスが用意されており、登山客が多いときは 随時臨時増便するようである。
その日も20人のツアー客がおり、その人たち専用の臨時バスが増便されていた。14:05仙流荘発のバスに乗車した。バスはもちろんワンマンバスであるが、運転手がガイド役も兼ねており、 山の名前、花の名前、蝶の名前、絶景ポイントなど詳しく説明してくれる。道路は一般車両は通行止めだから、 対向車は南アルプス林道バスもしくは工事用の車両のみで安心して説明を聞くことができた。長衛荘には15:05に到着した。
長衛荘は南アルプス開発者北沢長衛のゆかりの小屋で周辺では一番おおきい。北沢峠バス停留所の隣にあり収容人員110人である。
その日の宿泊者は80人程度で、夕食は5時からと6時からの2つの班に分かれていた。消灯は8時であった。北沢峠標高2032m。2日目(8月4日)
長衛荘の朝食は弁当になっており、前日の19時に配られた。小屋には4時頃から味噌汁が用意されており、 小屋で朝食用弁当を食べる登山者がほとんでであった。こうすることにより好きな時間に出発することができる。 私たちの隣に昨日臨時増便バスに乗車した20人のツアー客が寝ていて、3時頃から準備を始め4時に出発していった。 私たちも4時に起床して5時には小屋を出発した。山は朝の10時にもなるとガスが発生して、 折角登っても頂上で景色を楽しむことがむずかしいので、可能な限り早く出発するのが良い様である。 南アルプス林道を山梨側へ10分ほど下ると、登山口になる。周りはまだ薄暗くシラビソ林が続く。 20分ほどで北沢駒仙小屋(旧北沢長衛小屋)に到着した。ここは北沢長衛が最初に立てた小屋で小屋の南はキャンプ指定地 になっており100張り可能である。標高1980mで北沢峠より50mほど低い所である。収容人数は60人である。 北沢駒仙小屋から丸木橋を渡って沢に沿って登る。堰堤がいくつもあり、岩魚を取らないように標識が掲げてある。 長衛荘を出発して1時間程で仙水小屋に到着した。標高2130m。収容人員30人の小さな小屋である。 仙水小屋の水場。「使うときは小屋に声をかけて下さい」との表示板がある。もちろん断られることなく「どうぞ」 との声が返ってくる。この水は北沢源流の水で冷たくおいしかった。 向かいに明日登山予定の仙丈ケ岳の山容を遠望する。 沢から離れて、岩の積み重なった斜面を歩く。ハクサンシャクナゲが美しく咲いていた。 残雪時には現れるという仙水池が、 残雪は残ってはいなかったが、水を蓄えて周囲の緑を映していた。 仙水小屋から40分で仙水峠に到着した。ここは栗沢山方面と駒ケ岳方面の分岐点である。標高2264m。 仙水峠で休憩。長衛荘から1時間40分でここまで来たので順調な滑り出しである。 前方に花崗岩の丸い塊の摩利支天が見える。 仙水峠から急登が始まりハイマツを掻き分けようやく駒津峰に到着した。標高2752mで仙水峠と標高差約500mあり1時間45分かかった。 駒津峰からの展望は素晴らしく、朝早く出発したおかげでガスも出てなくて360度のパノラマを楽しんだ。仙丈ケ岳と富士山。 富士山に次いで標高第2位の北岳と間ノ岳。 仙丈ケ岳と富士山を背景にYa氏。 駒津峰標識を背景にMa氏。 頂上付近の花崗岩。風化により砂礫化しており遠くから見ると美しく白い山に見える。六方石からは直登コースと巻き道コースに分かれている。直登コースは岩場が多いので距離は短いが時間はかかるようである。巻き道コースを選んだ。途中で摩利支天分岐点があるが,地元の登山マップでは立ち入らないようになっている。 摩利支天分岐標識でYa氏。 駒ヶ嶽神社石碑と太刀?。 駒ヶ岳頂上の祠。標高2967m。 駒ヶ岳頂上の祠を背景にMi氏。 駒ヶ岳頂上標識背景に全員写真。 駒ヶ岳頂上から眺めた南アルプス連峰。北岳、間ノ岳、塩見岳の山並。 頂上付近の岩陰に咲くタカネツメクサ。 仙水峠手前に多いピンク色のハクサンシャクナゲが美しい。 駒ヶ岳中腹で見たゴゼンタチバナ。 15時05分長衛荘に到着した。出発してから休憩も入れてちょうど10時間かかった。表記されている 標準時間は8時間程度だからずいぶんとかかったことになるが、山小屋の人の話では、最近は高齢者の登山が増えているが、 表記時間は昔のままだから、余分に見ておいたほうが安心であるという。なにはともあれ、本日の無事を祝って生ビールで 乾杯。
3日目(8月5日)
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昨日と同じように4時に起床しおいしいみそ汁と朝食を長衛荘で食べて、5時10分に出発した。 今日は午後4時までに帰ってきて、バスで仙流荘まで戻る予定である。バスはそれ以降ないので、時間厳守である。 ![]()
3合目の標識。1合目から5合目までは確認できたが,それ以後は確認できなかった。 ![]()
5合目の標識。通称大滝頭という。馬の背ヒュッテとの分岐点である。その途中に薮沢小屋がある。ここは素泊まり(4000円)のみである。 ![]()
2700mの森林限界を超えるとハイマツの群生が美しい。 ![]()
早朝というのにもうガスが発生している。雲に霞む駒ヶ岳遠望。 ![]()
小仙丈ケ岳手前の高山植物。仙丈ケ岳は花が多いということだが、8月初旬ということで、咲いて終わっている花が多かった。ミヤマシシウド。 ![]()
ハイマツの花。 ![]()
ミヤマバイケイソウ。 ![]()
クルマユリ。 ![]()
小仙丈ケ岳に7時45分に到着。標高2855mの表示あり。 ![]()
小仙丈ケ岳標識とYa氏。 ![]()
小仙丈ケ岳頂上からの北岳(3193m)と間ノ岳(3189m)。
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小仙丈ケ岳頂上から見た駒ヶ岳と摩利支天。白い花崗岩が美しい。 ![]()
小仙丈カールの縁に沿って登山道がついている。ゆるやかで爽快な小仙丈尾根歩きである。仙丈ケ岳には小仙丈カール、大仙丈カール、薮沢カールの3つがある。 ![]()
仙丈小屋分岐標識。 ![]()
薮沢カールの底にある仙丈小屋。風力発電の風車と屋根には太陽光パネルが見える。 ![]()
岩稜の薮沢カール縁を回って仙丈ケ岳頂上まで最後の登り。 ![]()
標高3032mの仙丈ケ岳頂上に9時25分到着。仙丈ケ岳標識と全員写真。 ![]()
頂上は結構広く、長衛荘で隣にいたツアー客も一緒になった。富士山,北岳,甲斐駒ヶ岳など360度の展望を満喫できた。 ![]()
頂上岩陰のミネウスユキソウ。 ![]()
仙丈 ケ岳頂上からの駒ヶ岳(2967m)と鋸岳(2685m)。 ![]()
中央アルプスと恵那市街。 ![]()
頂上でイワベンケイ。 ![]()
頂上でチシマキキョウ。 ![]()
頂上でマンネングサ。 ![]()
頂上で蝶。
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午前10時に仙丈ケ岳を出発し午前10時25分薮沢カールの底にある仙丈小屋に到着した。仙丈小屋は55人収容の小じんまりしたきれいな小屋である。 庭に風力発電機を10基設置し、更に屋根には太陽光発電機を設置していた。ただ小屋のご主人いわく。 太陽光発電は霧が多いのでほとんど機能せず。 また,風力発電機も発電には毎分300回転以上の速度が必要で ほとんど発電できていないとのことであった。 最新の設備を設置しているのに残念なことである。 ここで昼食を食べて、自慢のコーヒーを注文した。絶品であった。500円。 ![]()
地元発行の登山地図では薮沢新道は点線で示されており,長衛荘の人も推薦してなかったのだが, 途中で会った登山者の話では全く問題がないということなので帰路は高山植物の多い薮沢新道を選んだ。沢に沿った登山道で多くの花に出会った。ヨツバシオガマ。 ![]()
薮沢新道でモミジカラマツ。 ![]()
薮沢新道でウサギキク。葉がウサギの耳に似ているのでこの名がついた。 ![]()
薮沢新道でハクサンフウロ。 ![]()
薮沢新道でオトギリソウ。 ![]()
薮沢新道でマルバタケブキ。 ![]()
薮沢新道でシナノキンバイ。 午前11時20分馬の背ヒュッテに到着。標高2640m。 ![]()
薮沢新道の大滝。 ![]()
大滝前でYa氏。 ![]()
大滝前でMa,Mi,Ya氏。 ![]()
なんと薮沢新道に雪渓が残っていました。雪渓を背景にYa氏。 ![]()
大平山荘に13時30分に到着。長衛荘までは南アルプス林道を歩いたので45分ほどかかった。。 ![]()
長衛荘には午後2時25分に到着。所要時間は休憩も含めて9時間15分であった。4時のバスを予定していたが、3時のバスが間に合ったのでそれに乗車して、仙流荘に戻った。仙流荘には仙人の湯があり、宿泊客だけでなく一般の登山客にも開放されていた。食事は満足のできるものであった。
4日目(8月6日)
仙流荘を8時30分出発して途中高遠の道の駅で土産を買って、大阪をめざした。泉佐野には午後4時30分に到着した。今回は天気に恵まれ、100名山を2つ登頂できたので満足の登山であった。 【宿泊先】 8/3,4 長衛荘 連絡先090-3023-9030 8/5 仙流荘 連絡先0265-98-2312