天城連山縦走
(2015年2月)
新大阪駅PM9:30発ツーリストのバスに乗り夜行で伊豆半島天城山に向かう。今回は天城山縦走と河津桜の見学を行う。

天城山登山map

2月25日(水)

ゴルフ場トイレ
新大阪21:30発の夜行バスで名神・東名高速を乗り継いで沼津ICから天城高原ゴルフ場駐車場に到着した。 駐車場には立派なトイレが登山者のために設置されていたが、凍結防止のため3月までは使用禁止になっていた。標高1040m
登山口
登山の準備体操後6時45分天城山縦走に出発した。天候は曇りで靄がかかっていた。
四辻
針葉樹林帯を20分ほど歩いて四辻に到着した。ここが万二郎岳登山口となる。標高1050m
登山道1
登山道はよく整備されており、樹木も針葉樹から広葉樹になり、馬酔木、ブナが多くなる。ジグザグの階段道を上って四辻から55分で万二郎岳頂上に到着した。 頂上は樹木に囲まれ眺望はきかない。標高1299m
万二郎岳頂上
頂上を後に縦走を進むとすぐに下りとなり、途中に岩場があり、天気の良い日はここから富士山や南アルプスの山並みが見えるそうであるが、 あいにくのガスで見ることはできなかった。
馬の背
鞍部まで下りて少し上ると平坦な登山道となって馬の背に着いた。
アセビトンネル
平坦な道を行くとやがて馬酔木のトンネルとなった。
石楠立
トンネルを抜けると、荒れた道を少し下ってやがて広い鞍部に出る。石楠立(はなだて)で、万二郎岳と万三郎岳の中間点である。
シャクナゲトンネル
石楠立で休憩を取り平坦な道を進むとアマギシャクナゲのトンネルとなった。開花時期は5月中旬から下旬である。
万三郎頂上標識
登山道はブナが多くなり、石楠立から45分で万三郎岳(ばんざぶろうだけ)頂上に到着した。登山口からちょうど3時間要した。
万三郎頂上にて
頂上には縦走案内板、頂上標識と1等三角点があった。樹木に囲まれて眺望はない。標高1406m。
延々ブナ林
10分ほど休憩して、縦走路を進む。ブナ林が延々と続く。
ヘビブナ
ヘビブナと呼ばれているブナの木があった。過酷な環境にもめげず、上に伸びようとする生命力に心打たれる。
ブナ大木
ブナの大木とヒメシャラの木。ヒメシャラの木は天城山系のあらゆるところで見受けられる。
ブナ林下り
広大なブナ林を下ってゆく。
戸塚峠
ブナの林を延々と歩き、戸塚峠に到着しました。万三郎岳から1時間15分要した。
奇妙な大木
白田峠を目指す道中に奇妙な根っこの木を見つけました。ブナの老木?
白田峠
11時45分白田峠に到着。
八丁池標識
12時40分八丁池に到着しました。白田峠から55分かかりました。
展望台からの八丁池
少し離れたところに展望台がありました。展望台からは天候の良い日は遠く富士山も見られるそうだ。展望台から八丁池の眺望。
渓谷のわさび畑
天城峠に向かう登山道の谷間にわさび畑があった。こんな山奥での収穫は大変であろうと思う。
ヒメシャラの大木
ブナ林の中に大きなヒメシャラの木があった。
雨宿りブナ
人間が十分雨宿りできそうな空洞のあるブナ。
天城峠
15時10分天城峠に到着した。
天城隧道
天城峠を下って15分で旧天城山隧道北口に到着した。明治38年全国初の道路隧道として完成。長さ445.5m。平成13年重要文化財に指定された。
標高711m
天城隧道にて
旧天城山隧道前で撮影。
天城隧道標識
天城山隧道表示版
踊子歩道標識
天城山隧道は心霊スポットとしても有名であるらしい。トンネル内の照明はないところもあり、ヘッドライトが必要である。幅は狭く、車のすれ違いは無理である。通り抜けるのに約20分要した。トンネルを出たところに踊子歩道の標識。
二階滝
木々の間から二階滝を見る。この滝は八丁池に源を発し、下流に河津七滝を持つ。河津川の第一番目の滝である。二段に落下するのでこの名がついた。
二階滝駐車場からバスで大滝温泉 天城荘に向かう。

2月26日(日)


河津桜トンネル
旅館を8時00分に出発して、河津桜の見学に行った。河津川の両側の堤防に桜が植えられており、2月下旬に満開となる。
両岸の桜並木
土手にびっしり咲き乱れる河津桜。
河津桜にて
河津桜を背景に撮影。
温泉台
吹き上げる湯の高さが東洋一であるという峰温泉大噴湯塔。
河津桜原木
河津桜の原木。昭和30年河津川沿いで発見され、この家の庭に植えられる。約10年後の昭和41年初めて花が咲く。オオシマサクラとカンヒサクラの自然交配種で、1月下旬から2月にかけて開花する早咲き桜である。桃色または淡紅色で花期が1か月と長い。河津町では増殖され多くの場所に植えられている。
釜滝
河津桜を堪能したのち、河津七滝ハイキングに行った。
・・・河津七滝の伝承・・・
その昔、天狗の万三郎の妻が天城の八丁池で七つの頭を持つ大蛇を目撃した。これを聞いた万三郎は八丁池の近くに強い酒の入った樽を七つ置いた。やがて現れた大蛇がこれを飲み、酔いが回り寝込んだところを万三郎は剣で大蛇の七つの首を全て切り落とした。すると大蛇の体は川となり、首の切口は滝となり、河津七滝となった。最初の滝の釜滝。高さ22m幅2m
柱状節理
柱状節理が見られた。柱状節理は火山の火口から流れ出た溶岩が固まって冷えるときに温度低下とともに溶岩の体積が収縮し、規則的な割れ目ができたものである。

エビ滝 
2番目の滝であるエビ滝。高さ5m幅3m
ヘビ滝
3番目の滝であるヘビ滝。高さ3m幅2m
初景滝
4番目の滝である初景滝。高さ10m幅7m「 踊子と私」の銅像がある。
カニ滝
5番目の滝であるカニ滝。高さ2m幅1m
出合滝
6番目の滝である出合滝。高さ2m幅2m
7番目に大滝があり高さ30m幅7mと伊豆最大級であるが、台風の被害のため現在見学できない。
この地方では滝を「たる」と読み、大滝は「おおだる」となる。
浄蓮の滝
河津七滝とは別に浄蓮の滝がある。この滝は「日本の滝百選」にも選ばれている。昔、木こりが落とした鉈(なた)を探しに滝つぼの中に入ると、美しい女性に会った。その女性と、姿を見たことの公言をしない約束をするが、村人から「滝の主は女郎蜘蛛だ」と聞き、その出来事を話してしまう。すると木こりは深い眠りについてしまった。高さ25m幅7m玄武岩の岩肌を流れ落ちる勇壮な姿は天城一といわれる。
わさび畑
滝の側にはわさび畑があった。滝見学を終えて、沼津グルメ街道の駅で昼食をとり、20時30分大阪梅田に到着した。

今回天城山縦走では、約17kmを約8時間かけて歩き、登山道には雪が残っていて結構疲れたが、雨に降られることもなく、また、河津桜ではちょうど桜まつりが始まり良い時期であった。天城山にはシャクナゲの花咲く頃か、紅葉の美しい季節にもう一度行きたいものである。