薬師岳
(2015年7月)
今回の登山は、北に室堂、南に太郎平を経て黒部五郎岳に続く長い尾根を持つ雄大な山容の薬師岳の登頂である。 登山口の折立から薬師岳の折り返しである。途中、薬師岳山荘に一泊する。梅雨期であるので天候が心配である。




薬師岳登山地図

7月4日(土)

  
折立到着
大阪駅PM9:30発のバスに乗り名神・北陸自動車道で立山ICまで行き、立山アルペン村で朝食、登山の準備を整えて 薬師岳登山口の折立を目指した。有峰林道のゲートが開くのが午前6時00分だからそれに合わせてアルペン村を出発した。途中4,5か所で工事中の片側通行があり、折立に到着したのは6時45分であった。
登山口
折立駐車場には約10台程度の車が停車していた。有峰林道ゲートで待機していた車である。駐車料金は無料で約100台が駐車可能である。登山口に向かって左手に折立休憩所が、右手にはトイレがある。
準備体操
休憩所前で登山の準備体操をして、7時00分出発した。現地ガイドはNHK日本百名山蓼科山編に出演された鈴木さんであった。
慰霊碑
出発してすぐに、昭和38年1月愛知大学山岳部員13名が吹雪で遭難死したのを悼む慰霊碑があった。心が引き締まる思いであった。
薬師岳hガスの中
登山道は急峻で展望がきかない道が続いた。途中三等三角点(1870m)から薬師岳を見たが、ガスのため裾野しか見えなかった。
現在地標識
折立から太郎平までは距離を示す掲示板が設置されていた。
五光岩目指して
三角点を過ぎると道はなだらかな斜面となり、展望も開けた。
五光岩ベンチ
折立を出発して3時間30分で五光岩ベンチに到着した。広いベンチが設置されており休憩ポイントである。
太郎平への道
石畳の道や木道が多く整備されたなだらかな道を進むと50分ほどで太郎平に到着した。
太郎平到着
折立から4時間25分で太郎平に到着した。ここは北アルプスの最奥の地、黒部源流探索の拠点で、 薬師岳・水晶岳・雲の平など黒部源流の山々を一望できるところです。残念ながら今日はガスのため見ることはできません。
太郎平小屋
太郎平小屋は収容人数150名の山小屋。有料トイレの手前に水場があった。 常時放流しておりペットボトルに詰めた。おいしい水であった。
折立から太郎平までに咲いていた花々
コイワカガミ
コイワカガミ(小岩鏡)。
マイズルソウ
マイズルソウ(舞鶴草)。
ツマトリソウ
ツマトリツウ(褄取草)。
ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ(日光黄萓)。
オンタデ
オンタデ(御蓼)。
チングルマ
チングルマ(稚児車)。
ミツバノバイカオウレン
ミツバノバイカオウレン(三葉の梅花黄蓮)。
ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ(四葉塩釜)。
コバイケソウ
コバイケイソウ(小梅尅吹j。
コメツツジ
コメツツジ(米躑躅)。
イワイチョウ
イワイチョウ(岩銀杏)。
ヒメシャクナゲ
ヒメシャクナゲ(姫石楠花)。
ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)。
キヌガサソウ
キヌガサソウ(衣笠草)。
ミネズオウ
ミネズオウ(峰蘇芳)。
コケモモ
アカモノ(赤物)は別名イワハゼ(岩櫨)という。
ゴゼンタチバナ
ゴゼンタチバナ(御前橘)。
薬師峠目指して
太郎平から薬師峠を目指した。ほぼ水平な木道が整備されていた。
薬師峠直前
薬師峠は太郎平より35m程標高が低いところにある。薬師峠に向けて下ってゆく。
薬師平への雪渓
前方に薬師平に続く沢の雪渓が見える。
薬師峠
太郎平から20分で薬師峠に到着。ここはキャンプ場になっており、管理は太郎平小屋が行っている。バイオトイレ完備。水は薬師平からの沢の水が豊富にある。
沢に沿った登山道
薬師峠から薬師平へは、沢を登ってゆく。
沢の雪渓
沢には雪渓が多く残っていた。
雪渓を登る
アイゼンまでは必要なかったが、注意して雪渓を登った。
薬師平ケルン
薬師峠から40分で薬師平に到着した。ケルンが設置されていた。
黒部五郎岳遠望
薬師平より黒部源流の山々が見えた。黒部五郎岳。
双六岳遠望
中央手前に雲ノ平、その後ろに三俣蓮華岳。その左かすかに奥穂高、そして尖っているのは槍ヶ岳。
薬師岳山荘
薬師平からなだらかな稜線を50分で薬師岳山荘に到着した。折立から休憩も含めて6時間40分要した。
天然記念物碑
薬師岳東斜面には4つのカールがあり、国の特別天然記念物に指定されている。
太郎平から薬師岳山荘までに見た花々
リュウキンカ
リュウキンカ(立金花)。
ミズバショウ
ミズバショウ(水芭蕉)。
ショウジョウバカマ
ショウジョウバカマ(猩々袴)。
ハクサンイチゲ
ハクサンイチゲ(白山一華)。
タカネヤハズハハコ
タカネヤハズハハコ(高嶺矢筈母子)。
アオノツガザクラ
アオノツガザクラ(青の栂桜)
薬師岳頂上祠
薬師岳山荘に荷物を預け軽装で薬師岳頂上を目指した。頂上の祠と頂上標識。祠の中には薬師如来の像が祀られている。。
頂上標識
15時00分薬師岳山頂に到着。薬師岳山荘から70分要した。残念ながらガスのために眺望はなかった。さらに残念なことにカメラの電池切れで恒例の頂上標識との写真が取れなかった。標識が撮影できただけでも良かったと自分に言い書かせて頂上を後にした。薬師岳山荘まで50分の下りであった。

7月5日(日)

山荘前で
翌日は4時00分に起床して、出発の準備をしてから朝食をとり、5時20分には薬師岳山荘を出発した。山荘前で一枚。
黒岳・槍遠望
40分下って、薬師平に到着した。昨日よりも視界良好。三俣蓮華岳、槍ヶ岳と続き、左に水晶岳が見える。
黒部五郎遠望
黒部五郎岳と弓折岳が一部見える。
沢の下り
大きな石の沢を下って薬師峠を目指した。薬師平から35分で薬師峠に到着した。
太郎平小屋 
薬師峠から20分で太郎平に到着した。
剱岳遠望
五光岩ベンチから剱岳と立山連峰が見えた。
樹幹より有峰湖
三角点手前で樹幹から有峰湖が見えた。有峰林道は有峰湖の周囲を回るように建設されており総延長93kmの有料道路である。
折立休憩所
10時30分折立に到着した。薬師岳山荘から5時間10分で下山した。休憩所横に登山靴の洗い場が設けられていた。
有峰湖
バスで亀谷温泉に向かう途中、窓から有峰湖が見えた。有峰湖には島がある。吉事山と呼ばれた山の頂上部が湖面から露出したもので、宝来島と呼ばれている。北陸電力がダムの完成を機に有峰神社を建立している。
有峰ダム
有峰湖は北陸電力の発電用ダムである。総貯水量は2億2200万立方メートルで黒部ダムよりも10%ほど大きい。和田川第一、第二発電所、有峰第一、第二発電所、有峰ダム発電所に送水し、最大53万4170KWの発電が可能である。
亀谷温泉で登山の汗と疲れを取り、18時30分にバスで大阪に着いた。
折立から太郎平間は雨に降られたが、あとは薄曇りで時には日も射しこの時期としては天候に恵まれたといえる。薬師岳の山容の大きさに触れた山旅であった。
【連絡先】
薬師岳山荘     連絡先090-8263-2523
亀谷温泉      連絡先076-481-1301