2015年8月27日(木)午前8時40分新大阪発の新幹線で静岡まで行き、しずてつバスで畑薙第一ダムに。一般車はここからは通行止めで、 東海フォレスト送迎バスで椹島ロッジに行く。 千枚岳、荒川三山と赤石岳を左回りに縦走した後、椹島ロッジに戻り、同じ行程で大阪に戻る計画である。 2019年9月26日から30日まで前回登頂できなかった赤石岳に登るために登山した。今回は前回と違って右回りで縦走した。 先ず椹島から赤石小屋で一泊した後、次の日は天候の関係で荒川小屋に泊まらず、一気に千枚小屋まで行った。翌日(4日目)に椹島に降りてきて一泊。 椹島でゆっくりとして昼食後大阪に戻った。
1日目(8月27日)
新大阪発8時40分の新幹線で静岡駅に10時32分到着した。そこから、しずてつバスで3時間。ついに畑薙第一ダム夏季臨時駐車場に到着した。 乗用車の場合はここで駐車しておいて東海フォレストが運営する送迎バスに乗って、椹島まで行く。運賃は往復3000円であるが、東海フォレストが運営する椹島ロッジや 山小屋を利用すると、宿泊料金から3000円引いてくれるので、結局は無料と同じである。送迎バス受付と登山届提出箱が設置されていた。少し下ったところに駐車場があり、 そこにトイレが設置されている。 送迎バスで1.6km程行くと、畑薙第一ダムがある。このダムは昭和37年完成した中部電力の発電用ダムで高さ125m中空重力式コンクリートダムとしては、 日本で一番の高さである。発電設備が堤内にある。 駐車場から1時間かかってようやく椹島ロッジに到着した。ダム建設で作業員の宿舎として 使われていたのを利用している。標高1120m。収容人数180名、トイレは水洗、風呂あり、昼間はシャワーのみ。
2日目(8月28日)
5:00起床、朝食と準備をして、6:00椹島ロッジを出発した。林道を20分程歩くと、大井川本流に架かる滝見橋という青い橋が見えた。。 滝見橋手前に千枚小屋と二軒小屋の分岐の標識がある。二軒小屋は荒川岳、塩見岳、池の沢方面のベースである。収容人数38名。千枚小屋に向かう。2019年現在この道は通行できなくなり、 林道をさらに行くと吊橋がありそれを渡って登山道に入ることになる。 2019年には林道から吊橋を渡って登山道に入るようになっていた。 しばらくは大井川に沿った登山道になる。登山道から見た大井川j本流。 秋雨前線の影響で雨が多く、沢の流れも滝のようになっていた。 幹回り4.3mのミズナラ(水楢)の巨木があった。 途中林道に出たが、すぐに登山道に入る。林道はかなり山の上まで行っており、山小屋の物資を運搬するのに利用されている。 椹島ロッジを出発して3時間で小石下三角点に着いた。標高1586m。 10時35分清水平に着いた。 清水平の水場。冷たくて美味しい水であった。 11時20分蕨段三角点に到着した。標高2073m 南アルプスは太平洋の水蒸気を含んだ雲に覆われることが多く、登山道は苔に覆われていた。 登山道は深い森林にあるので高山植物はほとんど見ることはないが、珍しいシャクジョウソウ(錫杖草)が咲いていた。 セリバシオガマ(芹葉塩竈) 駒鳥池は登山道から30秒ほど離れた、苔むした原生林の中にひっそりと水をたたえていた。 ハクサンボウフウ(白山防風) ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草) ヤマハハコ(山母子) タカネトリカブト(高嶺鳥兜) 14時05分千枚小屋に到着した。標高2610mにある。椹島ロッジを出発して8時間。標高差1500mを歩いた。千枚小屋は高山植物に囲まれていた。近年、火災による消失から新築された。収容人数100人。 イブキトラノオ(伊吹虎の尾) ミヤマゼンコ(深山前胡)
3日目(8月29日)
2019年千枚小屋から朝見た傘雲がかかった富士山。 4時30分朝食を摂って、5時30分荒川三山目指して出発した。天気は雨である。 ミヤマコゴメグサ(深山小米草) オヤマリンドウ(御山竜胆) ミヤマウスユキソウ(深山薄雪草) 2019年ダケカンバの美しい老木があった。見事な造形美である。 6時30分千枚岳に到着した。標高2880m。千枚小屋から1時間要した。 トウヤクリンドウ(当薬竜胆) マツムシソウ(松虫草) シロバナタカネビランジ(白花高嶺ビランジ) イワインチン(岩茵陳 )別名イワヨモギ イワベンケイ(岩弁慶) タカネナデシコ(高嶺撫子) タイツリオウギ(鯛釣黄耆) 2019年ハイマツ地帯に雷鳥が出てきて餌を食べていた。 7時45分丸山に到着。標高3032m。千枚岳から1時間15分要した。雨のため眺望なし。 チシマギキョウ(千島桔梗) シラタマノキ(白玉の木) 雨も風もますます強くなった。暴風雨の中、稜線歩きで何度か風に吹き飛ばされそうになった。 タカネシオガマ(高嶺塩釜) 悪沢岳最後の岩場を苦戦して登る。 8時35分荒川東岳(悪沢岳)頂上に到着した。千枚小屋を出発して3時間かかった。標高3141m。雨のため眺望は全くない。 2019年 悪沢岳頂上にて。雨は降ってないが風が強かった。 2019年 悪沢岳から見た赤石岳 2019年岩の上にホシガラスがとまっていた。 イワツメクサ(岩爪草) クロトウヒレン(黒唐飛廉) オンタデ(御蓼) ウサギギク(兎菊)葉が兎の耳に似てるらしい 10時05分中岳避難小屋に到着した。管理人が常駐している。標高3060m。 避難小屋から20分で荒川中岳頂上に到着した。標高3084m。 中岳から20分で荒川前岳に到着した。標高3068m。荒川三山を登頂したことになる。 ウメバチソウ(梅鉢草) クロトウヒレン(黒唐飛廉) カンチコウゾリナとウメバチソウ(寒地顔剃菜)と(梅鉢草) イワオトギリソウ(岩弟切草) 12時10分荒川小屋に到着した。ここのカレーライスは定評がある。夕食に出たが、お変わり自由であった。標高2610m、収容人数100名。
4日目(8月30日)
2019年撮影した荒川三山 6時15分荒川小屋出発。本日も暴風雨は激しく、稜線を歩いている時、何度も吹き飛ばされそうになった。8時50分小赤石岳登頂。 標高3081m。小赤石岳から20分ほどで赤石小屋と赤石岳の分岐があり、分岐から25分で赤石岳に到着できる。 しかし、風雨が激しく登頂をあきらめ赤石小屋を目指した。 2019年赤石岳を背景に小赤石岳頂上にて 2019年 赤石岳頂上にて。前回のリベンジで天気も良い。 2019年 頂上から赤石岳避難小屋が見えた。歩いて5分程度の距離である。 2019年 赤石岳山頂から富士山が見えた。 2019年 赤石山頂から見た聖岳 2019年 赤石山頂から見た悪沢岳 2019年 赤石山頂から見た荒川三山 2019年 赤石避難小屋の管理人をされているチエコさんは非常に気さくな方で、ガイドの福沢さんとは 顔見知りでわざわざ山頂まで上がってこられて、我々にハーモニカ演奏をしてくださった。 2019年 赤石岳分岐から紅葉のウラシマツツジと赤石岳 風雨の中ウサギギク(兎菊)が咲いていた。 沢を流れる川は滝のような激流となって流れていた。 11時50分富士見平に着いた。休む間もなく赤石小屋を目指した。 2019年 富士見平から見た富士山 2019年 富士見平から見た荒川三山 2019年 富士見平から見た紅葉と赤石岳 12時30分赤石小屋に到着した。赤石小屋の標高は2530m。収容人数100名。千枚小屋、荒川小屋と同じような構造の山小屋で清潔であった。 夕食には豚の焼肉であった。おいしく食べた。
5日目(8月31日)
今日は昨日と違って朝から風雨はおさまり、赤石岳を眺望できた。 2019年 赤石小屋からの赤石岳 椹島からの送迎バスの時間の都合でいつもと同じように5時30分赤石小屋を出発した。途中で聖岳が見えた。昨年は聖岳を登頂し聖岳から赤石岳を見たものであった。 2019年 赤石小屋に向かう途中で見た赤石岳と聖岳 大倉尾根の急坂を下ると歩荷返しに至った。ここから坂は緩やかになった。椹島から登ってくると、ここからは急登になって歩荷さんも嫌になるということだろう。 ギンリョウソウ(銀竜草) 樹林下に生えるイチヤクソウ科の多年生腐生植物。別名ユウレイタケ。 大倉尾根は林道への階段で終わった。 東海パルプ株式会社創業者大倉喜八郎氏の標示板。大倉尾根登山道は大倉氏が赤石岳に登る時に開かれた道である。 。」
赤石小屋から4時間弱で椹島ロッジに到着した。シャワーを浴びて登山の汗と疲れを吹き飛ばした。昼食のそばを食べて,10時30分送迎バスで畑薙第一ダムへ、 そこから3時間かけてJR静岡駅に14時50分に到着した。残念にも新幹線の切符が団体切符のため指定された列車しか乗車できず、静岡発18時11分、新大阪に20時03分に到着した。
今回の山旅は雨に祟られ初日と最後の日が曇り、他は雨であった。南アルプスの雄大な景色には出会えなかった残念な旅であった。2019年のリベンジ登山は天候に恵まれ非常に満足した
【宿泊先】 東海フォレスト観光チーム 連絡先0547-46-4717