9月15日(金)
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女満別空港から国道334号で知床半島ウトロ温泉に向かう途中で遠音別橋に着いた。 ![]()
遠音別川は鮭の遡上で有名で、橋から見下ろすと鮭の大群が遡上する姿を見ることができた。近くの河口では多くの釣り人がいた。 ![]()
遠音別川をウトロ側に国道334号を約3km程行くと、国道沿いにオシンコシンの滝入口がある。 ![]()
入口から30mほど登るととオシンコシンの滝が見える。チャラッセナイ川の河口付近から流れ落ちる滝で落差50mである。オシンコシンとはエゾマツの群生するところという意味だそうだ。日本の滝100選に選ばれている。双美の滝とも呼ばれる。 ![]()
ウトロ温泉には17時00分に到着した。宿である知床第一ホテルの部屋からちょうどオホーツクに沈む夕日を見ることができた。 9月16日(土)
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翌朝は3時00分に起床。朝食を部屋で食べて、4時00分ホテルを岩尾別登山口に向かって出発した。 ![]()
ホテルから約45分で岩尾別登山口に到着した。台風18号の影響は北海道にはなく、晴天である。 ![]()
出発して30分でオホーツク展望台に到着した。ここからオホーツク海を展望するのであろうが、木々に遮られてほとんど見えなかった。 ![]()
トリカブト(鳥兜)。 ![]()
葉の形状からして、おそらくシラネニンジンでしょう。
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知床半島硫黄山が見える。 ![]()
ゴゼンタチバナの実。 出発して1時間20分で弥三吉水に到着した。標高753m。弥三吉の名称は知床連山の登山道を開拓した木下弥三吉の名にちなんでいる。岩尾別登山口には木下小屋もある。標高753m。
弥三吉水の水場。北海道ではキタキツネが媒介するエキノコックス病があるので、山水の水は飲めない場所が多いが、ここは地元の人も飲んでいるので良いようだ。実際に飲んでみると、冷たくておいしい水であった。
ダケカンバが冬の雪に耐えて、折れ曲がっている。
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登山口を出発して1時間40分で極楽平を通過。標高840m。
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木々の間からオホーツク海が眺望できた。
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ツバメオモトの実。 ![]()
羅臼岳が見えた。
登山口を出発して2時間20分で銀冷水に到着した。ここの水場は離れているのか、近くに見えなかった。携帯トイレのブースが設置されていた。
登山口を出発して2時間50分で大沢入口に達した。羅臼平まで沢になっていて、遅くまで雪渓が残るそうであるが、今回は残っていなかった。 羅臼平に向けて大沢を登ってゆく。登山道の両側はお花が残っている。 オヤマリンドウ(御山竜胆)。
夜は冷えたのか植物の葉には霜が残っていた。
登山道の霜柱。
登山道を出発して3時間20分で羅臼平に到着した。羅臼岳の向かいにある三ツ峰の斜面の紅葉。羅臼平は標高1340m。 羅臼平から見た羅臼岳。頂上は溶岩ドーム。 羅臼平は羅臼岳と硫黄山縦走コースの分岐である。ここから羅臼岳に登って、引っ返して来て、三ツ峰を登り硫黄山に向かう。
我々から50mも離れていないところに熊がいた。ハイマツの実を食べているようである。羅臼の熊は人間に慣れており、人が居ても逃げることはないようである。ここはテント場であるが、食料は決してテント内に置かないで、設置されている食料保管ボックスに入れておく。
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熊を刺激しないように静かに羅臼岳に向けて出発した。コケモモが熟していた。
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チングルマの花は綿毛になり、葉は真っ赤に紅葉していた。 ![]()
羅臼岳斜面の紅葉。
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羅臼平から30分程で石清水に着いた。岩にはコケが付いており水が滴り落ちていた。
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石清水の標識。近くに漏斗とコップがおいてあった。流れ落ちる水を漏斗で集めてコップで飲むということだろう。羅臼岳の岩盤で浄化された清水で安心して飲める。
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羅臼岳斜面のイワキキョウ(岩桔梗)。
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羅臼平を見下ろすとハイマツの緑とナナカマド、チングルマ、コケモモの赤のハーモニーが美しい。 羅臼岳頂上の岩稜帯を背景にナナカマドの紅葉。
タカネトウウチソウ(高嶺唐打草)。バラ科ワレモコウ属の多年草。
岩稜帯を越えて頂上に向かう。
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ついに羅臼岳頂上に到着した。岩尾別登山口を出発して4時間40分要した。標高1661m。
オホーツク海はガスに覆われて、国後島を見ることはできなかった。![]()
羅臼岳頂上から見た三ツ峰と硫黄山へと続く山々。
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羅臼岳頂上から45分で羅臼平に降りてきた。ハイマツが美しい。登るときにいたハイマツの実を食べていた熊の姿はなかった。 ![]()
羅臼平から三ツ峰の斜面の紅葉。羅臼平から大沢に下ろうとすると、人だかりができていた。朝見た熊が大沢への登山道に下りてきて通行禁止となっていた。ここ数日来、熊の目撃情報が多いので、自然保護担当者が警戒のため登ってきて熊に出会ったそうである。熊が去るまで待たなければならない。1時間経過したとき、熊が去ったという情報が入り、やっと通行可能となった。
大沢を下っていくと、登山道の真ん中に大きな熊の糞があった。出来立てほやほやの糞であった。
12時30分に銀冷水に到着した。銀水冷には携帯トイレのブースが設置されている。北海道の山では携帯トイレは必携である。 樹間から羅臼岳を見ることができた。 14時40分岩尾別登山口に戻ってきた。休憩も入れて9時間40分の登山であった。天気が良くて最高の山旅であった。バスで宿舎のJR斜里駅前にある斜里町グランディア知床に向かった。
9月17日(日)
17日(日)は3時30分に起床。朝食を食べて、4時30分に宿舎を出発した。5時10分に登山基地の清岳荘に到着した。
清岳荘を5時20分に出発して10分程林道を歩くと本格的な登山口に着いた。
5時30分登山口を出発。ここにも熊注意の掲示板がある。
登山道を行くとすぐに一の沢に出た。沢を何度も渡渉しながら、沢の上流を目指す。日本百名山の中で唯一沢を登る登山道である。 沢は峡谷で両側は岩が迫っている。岩を伝って登る。
出発して45分で仙人洞に到着した。洞窟ができていて人が座れるスペースがあった。仙人が修行するにはうってつけの場所である。
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登山口を出発して1時間で下二股に着いた。ここから新道を行けば熊見峠峠を経由して上二股へ、旧道を行けば沢登りで上二股に行ける。登りは旧道を、帰りは新道を通ることになった。沢登りのほうが登山として面白いが、下りは危険であるので、良い選択である。 ![]()
沢には多くの滝があり、名前の表示が無ければ区別がつきにくい。先ずは睡蓮の滝。 ![]()
名前が分からない滝1.
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名前の分からない滝2。
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羽衣の滝。羽衣を広げたように水の流れがひろがっている。
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赤い岩を舐めるように水が流れる羽衣の滝。この沢の水は鉄分をを含んでいるそうで、岩には苔や藻がつかない。湿った岩でも滑ることがなかった。
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羽衣の滝の上部で渡渉する。20回以上渡渉を繰り返す。
沢を登る1、
名前の分からない滝3。滝の側を登ってゆく。
名前の分からない滝4。
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沢を登る2。
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沢を登る3。
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沢を登る4。 ![]()
沢を登る5。いよいよ沢登りも終わりで、沢の水量が減ってきた。
下二股から1時間35分で上二股に着いた。ここで新道と旧道が合流する。ここに携帯トイレブースのテントが設置されていた。
中央の窪みが馬の背である。馬の背まで登ると斜里岳頂上が見える。
雄大な山の景色を楽しんだ。馬の背までは急登が続く。
チングルマの紅葉。
上二股から30分で馬の背を通過し斜里岳に向かう。途中で振り返ると馬の背がはるか下に見える。
(緑がない部分)遠く斜里平野とオホーツク海が見える。
頂上まであとわずか。天空の稜線を行く。
頂上までの稜線に斜里岳神社の祠があった。 登山口から3時間40分で斜里岳頂上に到着した。標高1547m。
天気は快晴で頂上からは斜里町の街並みとオホーツク海が見渡せた。
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頂上で20分程景色を楽しみ下山した。馬の背を下ってゆく。
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頂上から50分で上二股に到着した。此処からは沢の下りは危険なので、熊見峠を経由して下二股にいく。
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熊見峠までの登山道が見える。 ![]()
途中から見た斜里の町。
上二股から40分で熊見峠に到着した。
熊見峠を経由して下二股に向かう途中で斜里岳頂上が見えた。(中央丸い山) 上二股から熊見峠を経由して1時間45分で下二股に到着した。
途中でマユミの実がなっていた。 清岳荘には13時10分に到着した。休憩も含めて斜里岳往復に丁度8時間要した。バスでオンネトー野中温泉に向かった。15時30分宿に着いた。 9月18日
今日は敬老の日で野中温泉玄関に祝福の花束が飾られていた。当旅館の野中正造氏がなんと男性の長老世界一であるということを知った。 さて、本日は台風18号のため朝から風雨が強く、山岳ガイドの長原さんから登山中止の報告があった。 残念であるが、雌阿寒岳は学生時代に北海道旅行で宿泊したユースホステルで、宿泊者全員登らされた記憶があるので了解した。
学生時代に登山した雌阿寒岳の写真を探し当てたので載せておきます。
登山中止で観光となり、網走市の天都山にある北方民族博物館を訪れた。 北方民族の衣装の試着があったので、部族の長になったつもりで写真を一枚。
独特の模様のタペストリー。 カンジキ。
スキーの板とストック。
マスの皮で作ったバッグ。 動物の胃腸で作成したパーカー。
トーテンポール。1時間30分程博物館を見学した後、道の駅で食事をして女満別空港に向かった。便が運航されるか分からないので、空港で様子を見ることになった。女満別空港から新千歳空港の便はすべて運航中止になっていたが、羽田行と関空行は運行されて、無事帰阪できた。最初の2つの山、羅臼岳と、斜里岳の登山は絶好の天気に恵まれたが、3つ目の山雌阿寒岳は登山することができなかったのは残念であった。
【連絡先】 ウトロ温泉 知床第一ホテル TEL0152-24-2334 グランティア知床斜里駅前 TEL0152-22-1700 雌阿寒温泉 中野温泉別館 TEL01562-9-7321