羅臼岳・斜里岳
(2017年9月)
今回は伊丹から新千歳空港を経由して女満別空港へ飛行機で行き、羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳を登る予定であったが台風のため 雌阿寒岳は登ることが出来なくて残念であった。しかし、羅臼岳、斜里岳は天気に恵まれ登山を楽しめたのは良かった。 女満別空港からの飛行機の便を心配したが、何とか離陸できて、予定通り帰阪できた。




羅臼岳登山地図

斜里岳登山地図
 

9月15日(金)

遠音別橋
女満別空港から国道334号で知床半島ウトロ温泉に向かう途中で遠音別橋に着いた。
サケの遡上
遠音別川は鮭の遡上で有名で、橋から見下ろすと鮭の大群が遡上する姿を見ることができた。近くの河口では多くの釣り人がいた。
オシンコシンの滝入口
遠音別川をウトロ側に国道334号を約3km程行くと、国道沿いにオシンコシンの滝入口がある。
オシンコシンの滝
入口から30mほど登るととオシンコシンの滝が見える。チャラッセナイ川の河口付近から流れ落ちる滝で落差50mである。オシンコシンとはエゾマツの群生するところという意味だそうだ。日本の滝100選に選ばれている。双美の滝とも呼ばれる。
ホテル窓から夕陽
ウトロ温泉には17時00分に到着した。宿である知床第一ホテルの部屋からちょうどオホーツクに沈む夕日を見ることができた。

9月16日(土)

ホテル出発
翌朝は3時00分に起床。朝食を部屋で食べて、4時00分ホテルを岩尾別登山口に向かって出発した。
岩尾別登山口
ホテルから約45分で岩尾別登山口に到着した。台風18号の影響は北海道にはなく、晴天である。
オホーツク展望
出発して30分でオホーツク展望台に到着した。ここからオホーツク海を展望するのであろうが、木々に遮られてほとんど見えなかった。
トリカブト
トリカブト(鳥兜)。
シラネニンジン
葉の形状からして、おそらくシラネニンジンでしょう。
硫黄山
知床半島硫黄山が見える。
ゴゼンタチバナ
ゴゼンタチバナの実。
弥三吉水標識
出発して1時間20分で弥三吉水に到着した。標高753m。弥三吉の名称は知床連山の登山道を開拓した木下弥三吉の名にちなんでいる。岩尾別登山口には木下小屋もある。標高753m。
弥三吉水場
弥三吉水の水場。北海道ではキタキツネが媒介するエキノコックス病があるので、山水の水は飲めない場所が多いが、ここは地元の人も飲んでいるので良いようだ。実際に飲んでみると、冷たくておいしい水であった。
ダケカンバ
ダケカンバが冬の雪に耐えて、折れ曲がっている。
極楽平
登山口を出発して1時間40分で極楽平を通過。標高840m。
オホーツクの海岸
木々の間からオホーツク海が眺望できた。
ツバメオモト
ツバメオモトの実。
羅臼岳遠望 
羅臼岳が見えた。
銀水冷
登山口を出発して2時間20分で銀冷水に到着した。ここの水場は離れているのか、近くに見えなかった。携帯トイレのブースが設置されていた。
大沢入口
登山口を出発して2時間50分で大沢入口に達した。羅臼平まで沢になっていて、遅くまで雪渓が残るそうであるが、今回は残っていなかった。
大沢を歩く
羅臼平に向けて大沢を登ってゆく。登山道の両側はお花が残っている。
オヤマリンドウ
オヤマリンドウ(御山竜胆)。
霜と草紅葉
夜は冷えたのか植物の葉には霜が残っていた。
登山道の霜柱
登山道の霜柱。
三峰の紅葉
登山道を出発して3時間20分で羅臼平に到着した。羅臼岳の向かいにある三ツ峰の斜面の紅葉。羅臼平は標高1340m。
羅臼平から羅臼岳
羅臼平から見た羅臼岳。頂上は溶岩ドーム。
羅臼平標識
羅臼平は羅臼岳と硫黄山縦走コースの分岐である。ここから羅臼岳に登って、引っ返して来て、三ツ峰を登り硫黄山に向かう。
羅臼平で熊に遭遇
我々から50mも離れていないところに熊がいた。ハイマツの実を食べているようである。羅臼の熊は人間に慣れており、人が居ても逃げることはないようである。ここはテント場であるが、食料は決してテント内に置かないで、設置されている食料保管ボックスに入れておく。
コケモモ
熊を刺激しないように静かに羅臼岳に向けて出発した。コケモモが熟していた。
チングルマ紅葉
チングルマの花は綿毛になり、葉は真っ赤に紅葉していた。
斜面の紅葉
羅臼岳斜面の紅葉。
石清水
羅臼平から30分程で石清水に着いた。岩にはコケが付いており水が滴り落ちていた。
石清水標識
石清水の標識。近くに漏斗とコップがおいてあった。流れ落ちる水を漏斗で集めてコップで飲むということだろう。羅臼岳の岩盤で浄化された清水で安心して飲める。
イワキキョウ
羅臼岳斜面のイワキキョウ(岩桔梗)。
羅臼平の紅葉
羅臼平を見下ろすとハイマツの緑とナナカマド、チングルマ、コケモモの赤のハーモニーが美しい。
紅葉と頂上
羅臼岳頂上の岩稜帯を背景にナナカマドの紅葉。
タカネトウウチソウ
タカネトウウチソウ(高嶺唐打草)。バラ科ワレモコウ属の多年草。
頂上直下の岩稜帯
岩稜帯を越えて頂上に向かう。
頂上にて
ついに羅臼岳頂上に到着した。岩尾別登山口を出発して4時間40分要した。標高1661m。
オホーツク海はガスに覆われて、国後島を見ることはできなかった。
三ツ峰から硫黄山
羅臼岳頂上から見た三ツ峰と硫黄山へと続く山々。
羅臼平から羅臼岳2
羅臼岳頂上から45分で羅臼平に降りてきた。ハイマツが美しい。登るときにいたハイマツの実を食べていた熊の姿はなかった。
羅臼平から三ツ峰
羅臼平から三ツ峰の斜面の紅葉。羅臼平から大沢に下ろうとすると、人だかりができていた。朝見た熊が大沢への登山道に下りてきて通行禁止となっていた。ここ数日来、熊の目撃情報が多いので、自然保護担当者が警戒のため登ってきて熊に出会ったそうである。熊が去るまで待たなければならない。1時間経過したとき、熊が去ったという情報が入り、やっと通行可能となった。
熊の糞
大沢を下っていくと、登山道の真ん中に大きな熊の糞があった。出来立てほやほやの糞であった。
銀水冷のトイレブース
12時30分に銀冷水に到着した。銀水冷には携帯トイレのブースが設置されている。北海道の山では携帯トイレは必携である。
樹幹から羅臼岳頂上
樹間から羅臼岳を見ることができた。
清岳荘
14時40分岩尾別登山口に戻ってきた。休憩も入れて9時間40分の登山であった。天気が良くて最高の山旅であった。バスで宿舎のJR斜里駅前にある斜里町グランディア知床に向かった。

9月17日(日)

斜里岳登山口
17日(日)は3時30分に起床。朝食を食べて、4時30分に宿舎を出発した。5時10分に登山基地の清岳荘に到着した。

林道
清岳荘を5時20分に出発して10分程林道を歩くと本格的な登山口に着いた。
頂上まで3.6km
5時30分登山口を出発。ここにも熊注意の掲示板がある。
沢に沿って1
登山道を行くとすぐに一の沢に出た。沢を何度も渡渉しながら、沢の上流を目指す。日本百名山の中で唯一沢を登る登山道である。
沢に沿って2
沢は峡谷で両側は岩が迫っている。岩を伝って登る。
仙人洞
出発して45分で仙人洞に到着した。洞窟ができていて人が座れるスペースがあった。仙人が修行するにはうってつけの場所である。
下二股
登山口を出発して1時間で下二股に着いた。ここから新道を行けば熊見峠峠を経由して上二股へ、旧道を行けば沢登りで上二股に行ける。登りは旧道を、帰りは新道を通ることになった。沢登りのほうが登山として面白いが、下りは危険であるので、良い選択である。
睡蓮の滝
沢には多くの滝があり、名前の表示が無ければ区別がつきにくい。先ずは睡蓮の滝。
滝1
名前が分からない滝1.
滝2
名前の分からない滝2。
羽衣の滝
羽衣の滝。羽衣を広げたように水の流れがひろがっている。
羽衣の滝2
赤い岩を舐めるように水が流れる羽衣の滝。この沢の水は鉄分をを含んでいるそうで、岩には苔や藻がつかない。湿った岩でも滑ることがなかった。
羽衣の滝を渡る
羽衣の滝の上部で渡渉する。20回以上渡渉を繰り返す。
沢を登る1
沢を登る1、
滝3
名前の分からない滝3。滝の側を登ってゆく。
滝4
名前の分からない滝4。
沢を登る2
沢を登る2。
沢を登る3
沢を登る3。

沢を登る4
沢を登る4。
沢を登る5 
沢を登る5。いよいよ沢登りも終わりで、沢の水量が減ってきた。

上二股
下二股から1時間35分で上二股に着いた。ここで新道と旧道が合流する。ここに携帯トイレブースのテントが設置されていた。
馬の背眺望
中央の窪みが馬の背である。馬の背まで登ると斜里岳頂上が見える。
山の紅葉
雄大な山の景色を楽しんだ。馬の背までは急登が続く。
チングルマの紅葉
チングルマの紅葉。
馬の背を見下ろす
上二股から30分で馬の背を通過し斜里岳に向かう。途中で振り返ると馬の背がはるか下に見える。
(緑がない部分)
斜里町とオホーツク海
遠く斜里平野とオホーツク海が見える。
頂上までわずか
頂上まであとわずか。天空の稜線を行く。

斜里岳神社
頂上までの稜線に斜里岳神社の祠があった。
斜里岳頂上標識
登山口から3時間40分で斜里岳頂上に到着した。標高1547m。

斜里岳頂上にて
天気は快晴で頂上からは斜里町の街並みとオホーツク海が見渡せた。
馬の背を下る
頂上で20分程景色を楽しみ下山した。馬の背を下ってゆく。
熊見峠を目指して
頂上から50分で上二股に到着した。此処からは沢の下りは危険なので、熊見峠を経由して下二股にいく。
熊見峠への道
熊見峠までの登山道が見える。
麓を眺める
途中から見た斜里の町。

熊見峠標柱
上二股から40分で熊見峠に到着した。
斜里岳遠望
熊見峠を経由して下二股に向かう途中で斜里岳頂上が見えた。(中央丸い山)
下二股に下る
上二股から熊見峠を経由して1時間45分で下二股に到着した。
マユミの実
途中でマユミの実がなっていた。
オンネトー野中温泉
清岳荘には13時10分に到着した。休憩も含めて斜里岳往復に丁度8時間要した。バスでオンネトー野中温泉に向かった。15時30分宿に着いた。

9月18日

長寿祝い花
今日は敬老の日で野中温泉玄関に祝福の花束が飾られていた。当旅館の野中正造氏がなんと男性の長老世界一であるということを知った。 さて、本日は台風18号のため朝から風雨が強く、山岳ガイドの長原さんから登山中止の報告があった。 残念であるが、雌阿寒岳は学生時代に北海道旅行で宿泊したユースホステルで、宿泊者全員登らされた記憶があるので了解した。
雌阿寒岳1
雌阿寒岳2
学生時代に登山した雌阿寒岳の写真を探し当てたので載せておきます。
北方民族博物館
登山中止で観光となり、網走市の天都山にある北方民族博物館を訪れた。
民族衣装
北方民族の衣装の試着があったので、部族の長になったつもりで写真を一枚。
タペストリー模様
独特の模様のタペストリー。
カンジキ
カンジキ。
スキー板
スキーの板とストック。
マス皮製バッグ
マスの皮で作ったバッグ。
パーカー
動物の胃腸で作成したパーカー。
トーテムポール
トーテンポール。1時間30分程博物館を見学した後、道の駅で食事をして女満別空港に向かった。便が運航されるか分からないので、空港で様子を見ることになった。女満別空港から新千歳空港の便はすべて運航中止になっていたが、羽田行と関空行は運行されて、無事帰阪できた。最初の2つの山、羅臼岳と、斜里岳の登山は絶好の天気に恵まれたが、3つ目の山雌阿寒岳は登山することができなかったのは残念であった。
【連絡先】
 ウトロ温泉  知床第一ホテル      TEL0152-24-2334
 グランティア知床斜里駅前        TEL0152-22-1700
 雌阿寒温泉 中野温泉別館        TEL01562-9-7321