利尻山と礼文島
(2018年6月)
今回は伊丹から新千歳空港を経由して利尻空港へ飛行機で行き、二日目に利尻岳に登る。三日目は花の礼文島 にわたりレブンアツモリソウを見るため礼文島北部の岬巡りコースでスコトン岬までトレッキングする。 四日目は礼文島南部の桃岩展望台コースをトレッキングして利尻島に戻り、新千歳空港経由で伊丹空港に戻る。




利尻岳登山地図

岬巡りコース地図

桃岩展望台コース地図
 

6月16日(土) 1日目

空港から利尻岳
伊丹空港を9時55分に離陸し、新千歳空港を経由して利尻空港に到着したのは13時40分。空港から利尻山が美しく見えた。こんなにきれいに見られるのは1年に何日もないとのこと。
ペシ岬
空港からホテルのある鴛泊港まで車で30分余り。ホテルに荷物を降ろして、鴛泊港周辺の探索に出かけた。鴛泊港から目に入るペシ岬展望台。高山植物に覆われている。
夕日丘展望台から見た
先ず沈む夕日がきれいな夕日丘展望台に向かった。残念ながら夕日が沈む時間はもっと後。しかし展望台からの絶景は素晴らしい。美しい海岸線と海の水がきれいであった。
夕日丘展望台
夕日丘展望台から見た利尻山。昨日降雪があったそうで、頂上は雪で覆われている。明日の登山がこんな晴天であればと思う。
エゾカンゾウ
夕日丘展望台の斜面にエゾカンゾウが咲いていた。尾瀬のニッコウキスゲと同じ花であるが、海抜数メートルに咲いている。
夕日丘展望台
夕日丘展望台から利尻山を背景に一枚。
ペシ岬展望台
夕日丘展望台を下って、ペシ岬に向かう。ペシ岬の岩壁にカモメが巣を作っている。
鴛泊港と利尻岳
ペシ岬から見た鴛泊港と利尻山。
ペソ岬より利尻岳
ペシ岬展望台からの利尻山。
ペソ岬灯台
ペシ岬にある灯台。
ペソ岬標識
ペシ岬展望台の標柱。
ミヤマオダマキ
コンビニでアルコールを仕入れてホテルに帰ると、玄関横に高山植物であるミヤマオダマキが咲いていた。

6月17日(日) 2日目

北麓野営場登山口
翌朝は4時00分に起床。朝食を部屋で食べて、4時55分にホテルを出発して10分程で北麓野営場登山口に到着した。準備運動を済ませ5時15分登山を開始した。
登山道始まり
登山の最初は整備された森林の中を歩く。
甘露泉水標識
出発して10分で日本名水百選の甘露泉水に着いた。利尻岳の雪が土壌に沁みこみここで湧き出している。利尻登山道の唯一の水場である。
甘露泉水
岩の間から噴出している甘露泉水を500mlペットボトル2本に詰めた。飲んでみると冷たくて、ほのかに甘く感じた。
四合目標識
登山口を出発して35分で四合目(野鳥の森)に到着した。標高390mである。
ウコンウツギ
ウコンウツギ(ウコン空木)の花が咲いていた。スイカズラ科タニウツギ属。花の色がウコンのように黄色だから。
オオバナノエンレイソウ
オオバナノエンレイソウ(大花延齢草)が咲いていた。シュロソウ科エンレイソウ属。三枚の花、顎片、葉をもつ。
ツバメオモト
ツバメオモト(燕万年青)の花がかろうじて残っていた。ユリ科ツバメオモト属の多年草。
マイズルソウ群生
マイヅルソウ(舞鶴草)の大群生があった。スズラン亜科マイヅル草属の多年草。
ナナカマドの花
ナナカマド(七竈)の白い花が咲いていた。バラ科の落葉高木。
ツマトリソウ
ツマトリソウ(褄取草)はサクラソウ科ツマトリソウ属の多年草。
七合目標識
出発して2時間35分で七合目(胸突き八丁)に着いた。標高895m。
行者ニンニク
行者ニンニクが花をつけていた。この山では多く見られた。
スミレ 
キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪)も咲いていた。スミレ科スミレ属の多年草。葉の形状が馬の蹄(駒の爪)に似ていることから。
八合目標柱
登山口を出発して3時間40分で八合目(長官山)に到着した。標高1218m。ここからは利尻岳が見えるそうであるが、ガスがかかって見えません。
避難小屋
八合目標識から15分で避難小屋に到着した。雨と風が激しく登山道には昨日の降雪が残り登山条件としては最低であった。周りの景色が全く見えない。しばし避難小屋で休息をとる。避難小屋を過ぎると急登が始まった。
九合目トイレブース
避難小屋から40分で九合目に到着した。此処にはトイレブースが設けられている。利尻岳登山には携帯トイレの持参が求められており、このようなブースが六合目、八合目、九号目の三か所に設けられている。標高1410m。
雪のガレ場
九合目から頂上まではザレ場で、雪で滑りやすく、また雨と風で体が冷やされた。
利尻山頂にて
11時15分ついに利尻山北峰に到着した。登山口を出発して5時間55分要した。標高1719m。
最高峰の南峰(1721m)は登山道崩落により登山禁止となっている。
利尻山頂の祠
利尻山頂に祀られている祠。独立峰であるため360度景色が眺められるはずであるが、今日は雨のため全く眺望は望めません。写真を撮って早々に下山した。
下山開始
登山道が雨水で深く削られて、両側の壁が崩落する危険がある。
エゾノハクサンイチゲ
厳しい環境の中エゾノハクサンイチゲ(蝦夷白山一華)の花が咲いていた。キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。
第一見晴台よりペシ岬
第一見晴台まで下ってくると風雨も収まり、少し眺望があり、鴛泊港とペシ岬が眺められた。
クルマバソウ
登山道脇にクルマバソウ(車葉草)が咲いていた。アカネ科クルマバソウ属の多年草。
登山道入り口の車止め
登山口に17時00分に戻った。休憩も含めて11時間45分の登山であった。登りに5時間55分、下りに5時間50分要した。今回は登山道に積雪があり、下りは滑って危ないので時間を多く費やした。車止めに小鳥の像が飾ってあった。
熊注意の看板
本来は利尻島には熊はいないのであるが、熊が北海道本島から泳いで利尻島にわたってきたようで、注意を促す看板があった。

6月18日(月) 3日目

ペシ岬と鴛泊港
今日は花の礼文島に行く。8時45分にホテルを出発して鴛泊港9時20分のフェリーに乗船。フェリーからペシ岬と灯台が見えた。
鴛泊港
鴛泊港の景色。漁船も停泊しているが、美しい風景である。
鴛泊フェリーターミナル
鴛泊港のフェリーターミナル。
ペシ岬
海から見たペシ岬と灯台。
レブンアツモリソウ
礼文島香深港には10時05分に着いた。鴛泊港から45分の船旅であった。香深港から民宿「はな心」のマイクロバスで40分程乗車して、レブンアツモリソウ群生地に到着した。此処からスコトン岬までトレッキングする。幸いにもレブンアツモリソウ(礼文敦盛草)が咲いていた。レブンアツモリソウは礼文島だけに咲く野生のランで開花時期は5月下旬から6月です。ラン科アツモリソウ属の多年草。
防風壁
礼文島はいつも強い風が吹く島である。海岸からの風から花畑を防ぐため防風壁が設置されている。
センダイハギ
センダイハギ(先代萩)。海岸の砂地に生えるマメ科の多年草。
海に続く道
ゴロタ浜に向かって伸びる道。両側に多くの花が咲いている。
チシマフウロ
チシマフウロ(千島風露)。北海道から東北地方の亜高山帯に分布する。日当たりのよい草地や砂礫地に生える高山植物。
エゾカンゾウ
エゾカンゾウ(蝦夷甘草)。ニッコウキスゲと同じ仲間。キスゲ亜科の多年草。
センダイハギ群生
センダイハギ(先代萩)の群生。
オオハナウド
オオハナウド(大花独活)。セリ科ハナウド属の多年草。若葉や茎が食用となり、てんぷら、きんぴら、佃煮として食される。
コウゾリナ
コウゾリナ(顔剃菜)。キク科コウゾリナ属で茎葉が毛に覆われており、触ると硬くて剃るような感じを受けるのでその名がある。
ハマナス
ハマナス(浜茄子)。バラ科バラ属の落葉低木。
鉄府での標柱
鉄府のバス停。トイレがあるので、昼食休憩を取った。ここからスコトン岬まで5.5kmとある。
ハマエンドウ
ゴロタ浜に沿った遊歩道をトレッキングする。ハマエンドウ(浜豌豆)。
ハマエンドウ群生
ハマエンドウの群生。

エゾカンゾウ2
エゾカンゾウ。
ゴロタ山
ゴロタ浜からゴロタ山を目指す。
ネムロシオガマ
ネムロシオガマ(根室塩釜)。海岸近くの草原から山の斜面まで広範囲に咲く。
チシマフウロ群生
チシマフウロの群生。
ゴロタ岬
鉄府バス停から1時間20分でゴロタ岬に到着した。
ネムロシオガマ群生
ネムロシオガマの群生。
岬巡りコース標識
岬巡りコースの標識。スコトン岬からゴロタ岬、ゴロタ浜、澄海岬(すかいみさき)を経由して浜中に戻るコースです。今回は風を考慮して反対周りをしています。礼文島は風が強く吹く島です。
レブンシオガマ
レブンシオガマ(礼文塩釜)。普通ヨツバシオガマは葉が4枚ずつ輪生するが、レブンシオガマは葉が5から6枚輪生する。
スコトン岬に続く道
トド島展望台から見たスコトン岬に続く道道507号線と白浜漁港。そして沖にトド島。
レブンシオガマ変種群生
レブンシオガマの群生。
スコトン岬標識
14時55分スコトン岬に到着した。レブンアツモリソウ群生地を出発して4時間余りのトレッキングであった。
スコトン岬にて
スコトン岬で一枚。
スコトン岬民宿
スコトン岬の先端に民宿があった。スコトン岬にある唯一の民家である。
スコトン岬からトド島
スコトン岬から見たトド島。無人島である。
最北限の地
最北限の地スコトン岬の標柱。民宿はな心のマイクロバスに迎えに来てもらって、16時30分宿に到着した。

6月19日(火) 4日目

桃岩
今日は民宿「はな心」を6時45分に出発。マイクロバスで道道765号線沿いにある桃岩展望台登山口まで送ってもらった。今日は礼文島南部にある桃岩展望台コースをトレッキングする。桃岩が見える。
桃岩展望台
桃岩展望台登山口。右の桃岩トンネルは崩落のため入口が閉鎖されている。
ミヤマキンポウゲ群生 
桃岩展望台コースの道の両側はお花畑である。ミヤマキンポウゲの群生があった。

イブキトラノオ
イブキトラノオが咲いていた。
桃岩展望台コース
桃岩展望台に向かう登山道の両側のお花畑。
ハクサンチドリとスズラン
ハクサンチドリとスズランの花。
レブンシオガマ
レブンシオガマ。
お花畑を行く
桃岩展望台を目指してお花畑を行く。
桃岩にて
登山口を出発して25分桃岩展望台に到着した。右の岩山が桃岩で、柱状節理で出来ている。
レブンキンバイ
レブンキンバイソウ(礼文金杯草)。キンポウゲ科キンバイソウ属。礼文島固有種である。
レブンキンバイとミヤマキンポウゲ
レブンキンバイとミヤマキンポウゲ。

クロユリ
クロユリが残って咲いていた。
猫岩
猫岩が見える。
利尻岳遠望
利尻山が海の彼方に見えた。
海岸線
元地海岸遠望。真ん中の桃岩と桃岩荘ユースホステル。
漁村
その先に元地漁港がある。
元地灯台
元地灯台遠望。斜面はお花畑。

元地灯台にて
登山口を出発して1時間50分で元地灯台に到着した。灯台をを背景に一枚。
知床から利尻岳
知床バス停には9時30分に到着した。知床から利尻山を1枚。知床は「地の果て」の意味で礼文島にもこの名の地名がある。2時間30分のトレッキングであったが、多くの花に出会えた。民宿はな心のマイクロバスでフェリー乗り場の香深港まで送ってもらい、フェリーで利尻島の沓形港に行き、昼食後、ホテルあや瀬のマイクロバスで利尻空港に送ってもらった。利尻空港から新千歳空港を経由して伊丹空港に19時15分に帰ってきた。今回の山旅は利尻岳登頂が目的であったが、到着した日と、帰る日は美しい利尻山の姿が見えたが、利尻山登山の当日は風雨の厳しい天気であった。利尻山頂上からの景色が楽しめなかったのは残念であったが、礼文島でのトレッキングは天候に恵まれて、多くの花に出会えたのは良かった。
【連絡先】
 鴛泊:ホテルあや瀬      TEL0163-82-1560
 香深:民宿はな心       TEL0163-86-1648
 ハートランドフェリー     TEL0162-23-3780